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質問テンプレート付|テレアポで使える最強のヒアリングスキルを徹底解説

テレアポ ヒアリング スキル

テレアポの成果は「話す力」ではなく「聞く力」、すなわちヒアリングスキルで決まります。この記事では、アポイント獲得率を劇的に向上させるヒアリングの重要性から、傾聴の基本、SPIN話法やBANT条件といった明日から使える実践テクニックまでを網羅的に解説。そのまま使える質問テンプレートも紹介するので、顧客の課題やニーズを的確に引き出し、信頼関係を築く最強のスキルが身につきます。


1. テレアポでヒアリングスキルが最重要である理由

テレアポと聞くと「うまく話すスキル」が重要だと思われがちですが、実は成果を出すために最も重要なのは「聞くスキル」、すなわちヒアリングスキルです。一方的な売り込みは、相手に警戒心を与え、すぐに電話を切られる原因になります。そうではなく、相手の話に耳を傾け、課題やニーズを深く理解することこそが、成功への最短ルートなのです。ここでは、ヒアリングスキルがなぜ最重要なのか、3つの具体的な理由を解説します。


1.1 アポイント獲得率が劇的に向上する

テレアポの最終目的はアポイントの獲得ですが、ヒアリングスキルはその成功率を大きく左右します。自社の商品やサービスの説明を一方的に話しても、相手は「自分には関係ない」と感じてしまいます。重要なのは、質問を通じて相手に課題を認識させ、「この話は聞く価値があるかもしれない」と思わせることです。

優れたヒアリングは、顧客自身も気づいていない潜在的なニーズや課題を言語化する手助けをします。相手が「確かに、そこが問題なんだ」と納得したとき、初めてあなたの提案を聞く姿勢が生まれるのです。つまり、ヒアリングはアポイントという次のステップに進むための「扉」を開ける鍵となります。


1.2 顧客との信頼関係を構築できる

顔が見えない電話営業において、信頼関係の構築は不可欠です。ヒアリングは、単に情報を収集する行為ではありません。「あなたのことを理解したい」「あなたのビジネスの成功を本気で考えている」という姿勢を示す、最も効果的なコミュニケーション手段です。

自分の話ばかりする営業担当と、真剣にこちらの状況や悩みに耳を傾けてくれる営業担当、どちらを信頼できるかは明白でしょう。丁寧なヒアリングを通じて「売り手」と「買い手」という関係から「課題解決のパートナー」へと昇華させることで、相手はより本音や深い情報を話してくれるようになります。この信頼関係こそが、長期的なビジネスチャンスにつながる強固な土台となるのです。


1.3 商談の質が高まり成約につながる

質の高いヒアリングは、アポイント獲得後に行われる商談の成否を決定づけます。テレアポの段階で顧客の課題や状況を深く理解できていれば、商談の場では的確な提案が可能になります。逆に、ヒアリングが不十分なままアポイントを取ってしまうと、見当違いの提案をしてしまい、貴重な商談の機会を無駄にしかねません。

ヒアリングの質が商談に与える影響は、以下の表のように明確です。

比較項目

ヒアリングが不十分な商談

質の高いヒアリングを経た商談

提案内容

一般的で誰にでも当てはまる内容

顧客の課題に直結する具体的な解決策

顧客の反応

「検討します」と保留されやすい

「まさにそれが欲しかった」と納得度が高い

成約率

低い

高い

このように、テレアポ段階でのヒアリングは、単なるアポイント獲得の手段ではなく、最終的なゴールである成約に至るまでのプロセス全体の質を高めるための重要な投資なのです。


2. テレアポのヒアリングで失敗する人の共通点

テレアポ ヒアリング スキル

高いヒアリングスキルを身につけるためには、まず多くの人が陥りがちな失敗パターンを理解することが近道です。無意識のうちに相手に不快感を与え、アポイントの機会を逃しているかもしれません。ここでは、テレアポのヒアリングで失敗する人に共通する3つの特徴を解説します。ご自身の普段のトークを振り返りながら、改善点を見つけていきましょう。


2.1 一方的に自社の商品説明ばかりしている

テレアポで最も多い失敗例が、相手の状況や課題を聞き出す前に、一方的に自社の商品やサービスの説明を始めてしまうことです。自社製品に自信があるほど、その魅力やメリットを早く伝えたくなる気持ちは分かります。しかし、相手はまだ話を聞く準備ができておらず、そもそも課題を認識していないかもしれません。そのような段階で商品の話をしても、「売り込み」と判断され、すぐに電話を切られてしまうでしょう。

ヒアリングの目的は、まず相手が抱える潜在的な悩みやニーズを引き出すことです。商品説明は、相手の課題を特定し、その解決策として提示するからこそ意味を持ちます。焦ってプレゼンテーションを始めるのではなく、まずは相手に関心を持ち、話を聞くことに徹しましょう。


2.2 質問が尋問のようになっている

相手の情報を得ようとするあまり、質問が尋問のようになってしまうケースも少なくありません。特に「はい」「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンを矢継ぎ早に投げかけると、相手は圧迫感や不快感を覚えてしまいます。これでは、相手も心を閉ざしてしまい、本音を引き出すことはできません。

会話のキャッチボールを意識せず、情報を引き出すことだけが目的になった質問は、良好な関係構築の妨げになります。相手が答えやすいように配慮し、会話のリズムを作ることが重要です。

尋問のような質問(失敗例)

会話を促す質問(改善例)

現在、〇〇のシステムは導入済みですか?

〇〇の業務に関して、現在どのような方法で進めていらっしゃいますか?

ご担当者様は〇〇部長様でよろしいですか?

この件に関しまして、主にどなたがご担当されることが多いのでしょうか?

このサービスに興味はありますか?

もし業務の効率が上がるとしたら、どのような点にご興味を持たれますか?

2.3 相手の話を最後まで聞いていない

「早くアポイントを取りたい」「次の質問をしなければ」という焦りから、相手の話を最後まで聞かずに遮ってしまうのも典型的な失敗パターンです。相手が話している途中で食い気味に話し始めたり、相手の言葉尻を捉えてすぐに自社の話に切り替えたりする行為は、「あなたの話には興味がありません」というメッセージとして相手に伝わってしまいます

相手は話す意欲を失い、あなたに対する不信感を抱くでしょう。たとえ相手の話が長くなったとしても、まずは最後まで真摯に耳を傾ける「傾聴」の姿勢が不可欠です。相手の言葉の裏に隠された本当のニーズや課題(インサイト)は、相手が安心して話せる環境があってこそ見えてくるものです。


3. 【基本編】テレアポのヒアリングスキルを高める5つの基本

テレアポ ヒアリング スキル

テレアポのヒアリングは、高度なテクニック以前に、相手の話を真摯に聞く「基本姿勢」が何よりも重要です。小手先の技術に頼るのではなく、まずは顧客との信頼関係を築くための土台となる5つの基本スキルを身につけましょう。これらの基本を徹底するだけで、相手の反応は大きく変わります。


3.1 傾聴の姿勢で相手に安心感を与える

ヒアリングの基本は「傾聴」です。傾聴とは、単に話を聞くのではなく、相手の言葉の背景にある感情や意図まで深く理解しようとする姿勢を指します。テレアポでは顔が見えないからこそ、声のトーンや話し方で「あなたの話を真剣に聞いています」という姿勢を伝えることが、相手に安心感を与え、心を開いてもらうための第一歩となります。

自分の話したいことをぐっとこらえ、まずは相手が話しやすい雰囲気を作ることに集中しましょう。相手の話を遮ったり、自分の意見を被せたりするのは厳禁です。顧客が抱える課題やニーズについて、存分に語ってもらう場を提供することが、結果的に有益な情報を引き出すことにつながります。


3.2 効果的な相槌で会話のリズムを作る

単に黙って聞いているだけでは、相手は「本当に聞いているのだろうか?」と不安になってしまいます。そこで重要になるのが「相槌」です。効果的な相槌は、「きちんと聞いていますよ」というサインを送るだけでなく、会話に心地よいリズムを生み出し、相手がさらに話しやすくなる効果があります。

ただし、「はい」「ええ」といった単調な相槌の繰り返しは、かえって相手に悪い印象を与えかねません。相手の話の内容や感情に合わせて、相槌のバリエーションを使い分けることが大切です。一般的に「さしすせそ」と呼ばれる相槌は、相手を肯定し、会話を弾ませるのに役立ちます。

相槌の種類

具体例と効果

同意・肯定

「はい」「ええ」「おっしゃる通りですね」


相手の話を受け止めていることを示す基本的な相槌です。

感心・称賛(さ・し・す)

「さすがですね」「知りませんでした」「すごいですね」


相手を尊重する気持ちが伝わり、より深い話を引き出しやすくなります。

驚き・発見

「そうなんですね!」「なるほど」


話に興味を持っていることを示し、相手の承認欲求を満たします。

続きを促す

「それで、どうなったのですか?」「もう少し詳しくお伺いできますか?」


相手にさらなる発言を促し、話を深掘りするきっかけを作ります。

3.3 相手の発言を要約し認識のズレを防ぐ

相手の話がある程度進んだら、適度なタイミングで内容を要約し、確認する「バックトラッキング」という手法が有効です。こちらの理解が正しいかを確認することで、話の食い違いや認識のズレを防ぎ、後のトラブルを未然に回避できます。

また、相手にとっても自分の話が整理されるため、「この人はきちんと理解してくれている」という信頼感につながります。要約する際は、相手が使った言葉をそのまま使うと、より効果的です。

【具体例】「〇〇という業務に多くの時間を取られていて、本来注力すべきコア業務に集中できない、という点でお困りだという認識でよろしいでしょうか?」


3.4 共感を示して心理的な距離を縮める

相手が抱える課題や悩みに対して、共感の意を示すこともヒアリングスキルにおいて非常に重要です。論理的に話を進めるだけでなく、「それは大変でしたね」「お気持ちお察しします」といった感情に寄り添う一言を添えることで、相手との心理的な距離がぐっと縮まり、本音を話しやすい関係性を築くことができます。

ただし、過度な同情や分かったふりは禁物です。あくまで相手の置かれている状況や感情を理解しようと努める姿勢が大切です。共感を示すことで、単なる「営業担当者」から「課題解決のパートナー」へと立場を変えるきっかけになります。


3.5 沈黙を恐れず相手が話す間を作る

テレアポにおいて、会話の途中で生まれる「沈黙」を恐れて、つい焦って言葉を継いでしまう人は少なくありません。しかし、実はこの沈黙こそが、相手が考えを整理したり、言い出しにくい本音を口にしたりするための重要な「間」-mark>なのです。

特に、重要な質問を投げかけた後は、意識的に数秒待つことを心がけましょう。こちらが沈黙を保つことで、相手は「何か話さなければ」と感じ、より深い情報を引き出せる可能性が高まります。沈黙は気まずいものではなく、深いヒアリングを行うための戦略的な時間であると捉えましょう。


4. 【実践編】アポにつながる最強のヒアリングテクニック

テレアポ ヒアリング スキル

テレアポのヒアリングにおける基本をマスターしたら、次はいよいよ実践的なテクニックを身につけましょう。ここでは、世界中のトップセールスが活用しているフレームワークや、会話を自在にコントロールするための質問スキルを解説します。これらのテクニックを駆使することで、アポイントの獲得率と質を飛躍的に高めることができます。


4.1 SPIN話法を活用したヒアリングスキル

SPIN話法(スピンわほう)とは、顧客が抱える課題を顧客自身に気づかせ、解決策を自ら欲するように導くためのセールス話法です。状況質問(Situation)、問題質問(Problem)、示唆質問(Implication)、解決質問(Need-payoff)の4つの質問を順番に行うことで、自然な流れで商談を優位に進めることができます。


4.1.1 状況質問(Situation Questions)で現状を把握する

状況質問は、相手の現在の状況や背景情報を把握するための質問です。会話のきっかけを作り、これから深掘りしていくための土台となる情報を集めます。ただし、多用すると相手に尋問のような印象を与えてしまうため、事前にホームページなどで調べられる情報は確認しておき、質問は最小限に留めましょう。

<質問例>

  • 「現在、〇〇の業務はどのような体制で進めていらっしゃいますか?」

  • 「〇〇の管理には、どのようなツールやシステムをご利用ですか?」


4.1.2 問題質問(Problem Questions)で課題を明確にする

問題質問は、相手が現状に対して感じている不満や課題、問題点を引き出すための質問です。相手自身も気づいていない「潜在的なニーズ」を掘り起こすことが目的です。この段階で、相手が抱える課題を具体的に言語化させることが、後の提案の説得力を大きく左右します。

<質問例>

  • 「現在の方法で、ご不便に感じられている点はございますか?」

  • 「〇〇の業務において、特に時間がかかっていると感じる部分はどこでしょうか?」


4.1.3 示唆質問(Implication Questions)で問題の重要性を認識させる

示唆質問は、明確になった問題がビジネス全体にどのような悪影響を及ぼしているのかを示唆し、問題の重要性や緊急性を相手に認識させるための質問です。問題点を放置した場合のリスクや損失をイメージさせることで、「この問題をすぐに解決しなければならない」という危機感を醸成します。

<質問例>

  • 「その作業に時間がかかることで、他の重要な業務にどのような影響が出ていますか?」

  • 「その問題が解決されない場合、将来的にはどのようなリスクが考えられますか?」


4.1.4 解決質問(Need-payoff Questions)で理想の未来を提示する

解決質問は、もしその問題が解決されたら、どのような明るい未来が待っているのかを相手自身に語らせるための質問です。課題解決後のメリットや理想の状態をイメージさせることで、提案するサービスや商品への期待感を最大限に高めることができます。

<質問例>

  • 「もし、〇〇という課題が解決できれば、貴社のビジネスにどのようなプラスの効果があるでしょうか?」

  • 「〇〇の作業時間を半分にできたら、新しくどのようなことに取り組みたいですか?」


4.2 BANT条件でアポイントの質を見極める

BANT条件とは、法人営業(BtoB)において、見込み顧客が成約に至る可能性が高いかどうかを見極めるための代表的なフレームワークです。Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)の4つの要素を確認することで、アポイントの質を担保し、効率的な営業活動を実現します。


4.2.1 Budget(予算)を確認する質問

提案するサービスや商品の導入に必要な予算が確保されているか、または確保できる見込みがあるかを確認します。予算感が大きく乖離している場合、商談に進んでも成約は困難です。相手の懐を探るような直接的な聞き方ではなく、丁寧な表現で確認することが重要です。

<質問例>

  • 「もし弊社のサービスを導入いただく場合、どの程度の費用感であればご検討いただきやすいでしょうか?」

  • 「同様の課題解決のために、過去にどのくらいの投資をされてきましたか?」


4.2.2 Authority(決裁権)を確認する質問

電話口の相手が、導入の意思決定を行う「決裁者」であるか、または決裁プロセスに深く関与する人物かを確認します。決裁権のない担当者と商談を重ねても、最終的な合意形成には至りません。商談の場には誰が出席すべきかを把握するために、必ず確認しましょう。

<質問例>

  • 「最終的なご判断は、〇〇様がお一人でされるのでしょうか?」

  • 「今回の件につきまして、他にどなたかご一緒に検討される方はいらっしゃいますか?」


4.2.3 Needs(必要性)を確認する質問

顧客が自社のサービスを導入する必要性を感じているか、その度合いはどの程度かを確認します。SPIN話法で引き出した課題と関連付けながら、サービスの必要性を探ります。ニーズが曖昧なままでは、商談に進んでも「検討します」で終わってしまう可能性が高くなります。

<質問例>

  • 「お伺いした課題の中で、最も優先的に解決したいとお考えのものはどれですか?」

  • 「この課題を解決するために、現在何か対策はされていますか?」


4.2.4 Timeframe(導入時期)を確認する質問

顧客がいつ頃までにサービスの導入を検討しているか、具体的なスケジュール感を確認します。導入時期によって提案の緊急度やアプローチの優先順位が変わります。「すぐにでも」という相手なのか、「来年度以降で」という相手なのかを見極めることは、営業戦略を立てる上で不可欠です。

<質問例>

  • 「もし導入するとした場合、いつ頃からのご利用をイメージされていますか?」

  • 「具体的なご検討のスケジュールは、いつ頃を予定されていますか?」


4.3 2種類の質問を使い分けるヒアリングスキル

ヒアリングの質を高めるには、質問の種類を意識的に使い分けることが極めて重要です。質問には、相手に自由に話してもらう「オープンクエスチョン」と、「はい/いいえ」などで端的に答えてもらう「クローズドクエスチョン」の2種類があります。この2つを組み合わせることで、会話の主導権を握りながら、必要な情報を的確に引き出すことができます。


4.3.1 オープンクエスチョンで情報を引き出す

オープンクエスチョン(開かれた質問)は、「5W1H(Why, What, Who, When, Where, How)」を使い、相手に自由に回答を促す質問です。相手の考えや潜在的なニーズ、背景にあるストーリーなど、多くの情報を引き出したいときに有効です。

<質問例>

  • 「〇〇について、どのようにお考えですか?」

  • なぜ、その課題が重要だと感じていらっしゃるのでしょうか?」


4.3.2 クローズドクエスチョンで会話を誘導する

クローズドクエスチョン(閉じた質問)は、「はい/いいえ」や、AかBかといった選択肢で答えられる質問です。会話のテンポを上げたり、相手の意思を確認したり、話の方向性を定めたりしたいときに有効です。ただし、使いすぎると尋問のようになり、相手が圧迫感を覚えるため注意が必要です。

<質問例>

  • 「現在、〇〇でお困りということはございませんか?」

  • 「詳しい資料をお送りしてもよろしいでしょうか?」




オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの使い分け

質問の種類

目的

メリット

デメリット

オープンクエスチョン

多くの情報を引き出す


相手の考えやニーズを深掘りする

相手が主体的に話してくれる


潜在的なニーズを発見しやすい

話が脱線しやすい


回答に時間がかかることがある

クローズドクエスチョン

事実や意思を確認する


会話を特定の方向に誘導する

会話のテンポが良い


端的に情報を得られる

情報量が少ない


尋問のようになりやすい

5. 【テンプレート付】そのまま使えるテレアポのヒアリング質問集

テレアポ ヒアリング スキル

ここでは、テレアポの各フェーズでそのまま使えるヒアリングの質問テンプレートを解説します。これらの質問を状況に応じて使い分けることで、会話をスムーズに進め、質の高いアポイント獲得につなげることができます。丸暗記するのではなく、なぜこの質問をするのかという意図を理解して活用することが重要です。


5.1 アイスブレイクで使える質問

アイスブレイクの目的は、相手の警戒心を解き、会話を続けるための土台を作ることです。本題に入る前に、相手が答えやすい簡単な質問で場の空気を和ませましょう。

質問のポイント

質問例

相手の業界に関する質問

「最近の〇〇業界のニュースで△△という記事を拝見したのですが、御社でも何か影響はございましたか?」

担当者自身に関する質問

「〇〇様は、現在の部署で長くご担当されているのですか?」

企業の取り組みに関する質問

「御社のウェブサイトを拝見しました。特に〇〇の取り組みに感銘を受けたのですが、始められたきっかけは何だったのでしょうか?」

5.2 現状や課題を引き出す質問

相手の現状を正確に把握し、潜在的な課題やニーズを引き出すための質問です。ここでは、相手に自由に話してもらい、多くの情報を引き出すオープンクエスチョンが中心となります。

質問のポイント

質問例

業務プロセスに関する質問

「現在、〇〇の業務はどのようなフローで進めていらっしゃいますか?」


「その業務について、特に時間や手間がかかっていると感じる部分はございますか?」

目標や指標に関する質問

「〇〇様(の部署)では、現在どのような目標を掲げていらっしゃるのでしょうか?」


「目標達成に向けて、現在どのような指標を重視されていますか?」

課題の有無を探る質問

「競合他社と比較された際に、課題だと感じていらっしゃる点はございますか?」


「もし改善できるとしたら、どの部分を優先的に変えたいとお考えですか?」

5.3 ニーズを深掘りする質問

相手が認識している課題をさらに深掘りし、その課題がもたらす影響や解決後の理想像を具体的にイメージさせるための質問です。課題を放置するリスクと、解決によるメリットを相手自身に気づかせることが目的です。

質問のポイント

質問例

課題の影響を広げる質問(示唆質問)

「その課題が続くと、将来的にはどのような影響(コスト増や機会損失など)が出るとお考えですか?」


「〇〇という課題は、他の部署にも何か影響を及ぼしているのでしょうか?」

解決後の未来を想像させる質問(解決質問)

「もしその課題が解決された場合、〇〇様ご自身の業務にはどのような変化があると思われますか?」


「その問題がなくなれば、部署全体で年間どれくらいの時間やコストを削減できそうでしょうか?」

理想の状態を確認する質問

「〇〇の業務について、どのような状態が理想だとお考えですか?」


「理想の状態を実現する上で、何が障壁になっていると思われますか?」

5.4 クロージングにつなげる質問

ヒアリングで得た情報をもとに、具体的な提案やアポイント設定につなげるための最終段階の質問です。相手の導入意欲や決裁プロセスを確認し、次のアクションを明確にすることを意識しましょう。

質問のポイント

質問例

決裁権の確認(Authority)

「この件につきまして、最終的にご判断されるのは〇〇様でいらっしゃいますか?」


「もし導入をご検討される場合、どのような方々にご相談されることが多いでしょうか?」

導入時期の確認(Timeframe)

「もし仮に導入されるとした場合、いつ頃からをイメージされていますか?」


「同様のサービスを検討される際は、通常どれくらいの期間でご判断されることが多いですか?」

アポイントを打診する質問

「より具体的なご提案をさせていただきたく、一度詳しい資料をお持ちしてお伺いしてもよろしいでしょうか?」


「それでは、来週あたりで15分ほど、オンラインでデモをご覧いただくお時間をいただけませんでしょうか?」

6. まとめ

テレアポにおいてヒアリングスキルは、アポイントの獲得率を向上させ、顧客との信頼関係を築くための最重要スキルです。一方的な商品説明や尋問のような質問は避け、傾聴の姿勢を基本としましょう。SPIN話法やBANT条件といったフレームワークを活用し、相手の課題やニーズを深く理解することが質の高い商談につながります。本記事で紹介した質問テンプレートを参考に、明日からのテレアポで実践してみてください。

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