営業代行の契約形態は3種類!それぞれの特徴と費用対効果を分かりやすく解説
- seira1001
- 9月20日
- 読了時間: 17分

営業代行の利用を成功させる鍵は、自社に最適な契約形態を選ぶことです。本記事では、主流となる「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」の3つの契約形態を徹底解説します。それぞれのメリット・デメリットや費用相場を比較し、依頼したい業務や商材に合わせた選び方のポイントを分かりやすく紹介。契約で失敗しないための注意点も網羅し、費用対効果を最大化するための知識が身につきます。
1. 営業代行の代表的な契約形態は3種類
営業代行サービスを利用する際の契約形態は、主に「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」の3種類に分けられます。それぞれ費用が発生するタイミングや依頼できる業務範囲が異なるため、自社の目的や商材に合わせて最適な形態を選ぶことが重要です。ここでは、各契約形態の基本的な特徴を解説します。
1.1 固定報酬型 安定した活動量を確保する契約形態
固定報酬型は、営業活動の成果にかかわらず、毎月一定の金額を支払う契約形態です。月額制や日当制があり、営業担当者の稼働時間や活動量(コール数、訪問数など)に対して費用が発生します。予算の見通しが立てやすく、営業戦略の立案からリスト作成、アフターフォローまで幅広い業務を依頼できるのが特徴です。長期的な視点で市場開拓やブランディングに取り組みたい場合や、営業プロセス全体の改善を目指す場合に適しています。
1.2 成果報酬型 リスクを抑えて成果を追求する契約形態
成果報酬型は、「アポイント獲得」「商談化」「受注」など、あらかじめ定めた成果が発生した際に費用を支払う契約形態です。成果が出なければ費用は発生しないため、依頼主は初期費用やリスクを最小限に抑えられます。費用は成果1件あたりの単価、あるいは受注金額に対するパーセンテージで設定されるのが一般的です。短期間で具体的な成果(リードやアポイント)を求める場合や、テストマーケティングとして営業代行を試したい企業に向いています。
1.3 複合型 固定報酬と成果報酬を組み合わせた契約形態
複合型は、固定報酬型と成果報酬型の両方の要素を組み合わせたハイブリッドな契約形態です。多くの場合、比較的安価な月額固定費に加えて、成果に応じたインセンティブ(成果報酬)を支払います。営業代行会社は安定した活動基盤を確保でき、依頼主は成果へのモチベーションを促しつつ固定費を抑えられるという、双方のメリットを両立させやすいのが利点です。営業活動の質を担保しながら、成果も着実に追求したいというバランスを重視する企業に最適な選択肢と言えるでしょう。
2. 【特徴を比較】営業代行の契約形態ごとのメリットデメリット

営業代行の契約形態は、それぞれに異なる特徴があり、メリットとデメリットが存在します。自社の商材、予算、そして営業戦略に合わせて最適な形態を選ぶことが、費用対効果を最大化する鍵となります。ここでは、3つの代表的な契約形態「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」のメリットとデメリットを詳しく比較・解説します。
2.1 固定報酬型のメリットとデメリット
固定報酬型は、毎月一定額の費用を支払うことで、契約で定められた業務を遂行してもらう契約形態です。営業担当者の人件費を月額で支払うイメージに近く、活動内容や稼働時間に基づいて料金が設定されます。
2.1.1 メリット 予算管理がしやすく幅広い業務を依頼可能
固定報酬型の最大のメリットは、毎月の支出が一定であるため、年間の営業コストを正確に把握し、予算管理がしやすい点です。料金が成果に左右されないため、営業代行会社は目先の成果だけでなく、中長期的な視点での営業戦略の立案や実行に注力できます。そのため、アポイント獲得や商談といった直接的な成果創出活動だけでなく、市場調査、ターゲットリストの作成、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)、既存顧客へのフォローアップといった、成果に繋がるまでのプロセス全体を幅広く依頼することが可能です。安定した活動量を確保できるため、営業体制の基盤をじっくりと構築したい場合に適しています。
2.1.2 デメリット 成果が出なくても費用が発生する
一方で、最も注意すべきデメリットは、たとえアポイントが1件も獲得できなくても、契約した固定費用を支払う必要があることです。営業代行会社の活動内容が不透明であったり、期待した成果が得られなかったりした場合、費用対効果が著しく悪化するリスクを抱えています。そのため、依頼する業務範囲や活動内容、報告の形式などを契約前に具体的に取り決め、信頼できるパートナーを慎重に選定することが極めて重要になります。
2.2 成果報酬型のメリットとデメリット
成果報酬型は、「アポイント獲得1件あたり〇円」「受注金額の〇%」といった形で、あらかじめ定めた成果(コンバージョン)が発生した時点ではじめて費用を支払う契約形態です。依頼主にとってはリスクが低い一方で、営業代行会社にとっては成果を出す難易度が高い形態と言えます。
2.2.1 メリット 初期費用を抑え成果に応じて支払い
成果報酬型の最大のメリットは、成果が出なければ費用が一切かからないため、初期費用や無駄なコストを徹底的に抑えられる点です。特に、予算が限られているスタートアップ企業や、新規事業のテストマーケティングを行いたい場合に最適です。支払う費用が直接的な成果に紐づいているため、費用対効果(ROI)が非常に明確で、投資の妥当性を判断しやすいのも大きな利点です。依頼主側の金銭的リスクを最小限に抑えながら、営業活動を開始できます。
2.2.2 デメリット 営業活動の質が不安定になる可能性
デメリットとしては、営業代行会社が報酬を得るために成果を急ぐあまり、営業活動の質が低下する可能性が挙げられます。例えば、「アポイントの質」よりも「アポイントの数」を優先し、成約見込みの低いアポイントが設定されたり、企業のブランドイメージを損なうような強引な営業手法が取られたりするリスクがあります。また、成果に直結しない市場調査や丁寧な顧客フォローといった業務は依頼しにくく、営業プロセス全体をサポートしてもらうのには不向きです。さらに、単価が低い、あるいは知名度がなく成約が難しい商材の場合は、営業代行会社から契約を断られるケースも少なくありません。
2.3 複合型のメリットとデメリット
複合型は、固定報酬型と成果報酬型を組み合わせたハイブリッドな契約形態です。「月額の固定費+成果に応じたインセンティブ」という料金体系が一般的で、両方の契約形態の利点を活かし、欠点を補い合うことを目的としています。
2.3.1 メリット 両方の良い点を組み合わせリスクを分散
複合型のメリットは、固定報酬と成果報酬のバランスを取ることで、依頼主と営業代行会社の双方のリスクを分散できる点です。営業代行会社は最低限の固定費によって安定した活動基盤を確保できるため、質の高い営業活動を継続できます。同時に、成果に応じたインセンティブがあるため、目標達成へのモチベーションも高く維持されます。依頼主側は、固定費を比較的安価に抑えつつ、幅広い営業プロセスを依頼できるため、成果が出なかった場合のリスクを軽減しながら、大きな成果が出た際にはインセンティブで報いるという、合理的で柔軟な運用が可能です。
2.3.2 デメリット 費用体系が複雑になりやすい
複合型のデメリットは、固定費と成果報酬の2つの要素が組み合わさるため、料金体系が複雑になりやすい点です。月々の支払額が変動するため、固定報酬型に比べて予算管理が難しくなる可能性があります。また、固定費と成果報酬の最適なバランス(例:固定費をいくらに設定し、成果報酬の単価や比率をどうするか)を決定するには、両社の綿密なすり合わせが必要です。契約内容の交渉や調整に時間がかかる場合があるため、成果の定義や報酬の発生条件などを事前に明確にしておくことが重要です。
これら3つの契約形態の特徴を、以下の表にまとめました。自社の状況に合わせて比較検討する際にお役立てください。
3. 営業代行の契約形態別 費用相場と料金体系

営業代行を依頼する上で最も気になるのが費用です。契約形態によって料金体系や相場は大きく異なります。ここでは、代表的な3つの契約形態それぞれの費用相場と、具体的な料金の内訳について詳しく解説します。自社の予算や目的に合った契約形態を選ぶための参考にしてください。
3.1 固定報酬型の費用相場
固定報酬型は、毎月一定の金額を支払う契約形態です。営業活動の量や内容に応じて料金が設定されており、成果の有無にかかわらず費用が発生するのが特徴です。一般的に、営業担当者1人あたりの月額費用で計算されます。
費用相場は、依頼する業務範囲によって大きく変動します。例えば、リスト作成や電話アポイント獲得のみを依頼する場合と、商談やクロージングまで一貫して依頼する場合では、料金が大きく異なります。
この費用には、営業戦略の立案やコンサルティング、定期的なレポート作成費用などが含まれている場合もあります。契約前に、どこまでの業務が月額費用に含まれているのかを必ず確認しましょう。
3.2 成果報酬型の費用相場
成果報酬型は、事前に定めた「成果」が発生した場合にのみ費用を支払う契約形態です。初期費用がかからない、あるいは非常に低額なケースが多く、リスクを抑えて導入できるのが魅力です。成果の定義は主に「アポイント獲得」と「受注」の2つに大別されます。
3.2.1 アポイント獲得の単価相場
テレアポやインサイドセールス代行で多く採用されている料金体系です。獲得したアポイント1件あたりの単価で費用が計算されます。
アポイントの単価相場は、1件あたり15,000円~50,000円程度と幅広く、ターゲット企業の規模や役職、商材の専門性など、アポイント獲得の難易度によって変動します。例えば、誰でも会える担当者レベルのアポイントよりも、企業の決裁権を持つ役員クラスのアポイントの方が単価は高くなる傾向にあります。
3.2.2 受注金額に応じたパーセンテージ相場
商談からクロージングまでを代行し、受注(成約)に至った場合に費用が発生する料金体系です。受注金額に対して一定の割合(料率)を支払います。
このパーセンテージの相場は、受注金額の10%~50%が目安です。商材の単価や利益率、営業サイクルの長さによって大きく変動します。一般的に、高単価な商材や、SaaSのような継続的な利益が見込める商材ほどパーセンテージは低く、低単価な商材ほど高くなる傾向があります。
3.3 複合型の費用相場
複合型は、固定報酬と成果報酬を組み合わせたハイブリッドな契約形態です。多くの営業代行会社で採用されており、両方のメリットを活かしたバランスの取れた料金体系と言えます。
基本的な構造は「月額固定費+成果報酬」です。月額固定費は、営業活動を行うための最低限の人件費や活動費として設定され、固定報酬型単体よりも安価な場合がほとんどです。
月額固定費の相場:20万円~50万円
成果報酬部分の相場:アポイント1件あたり10,000円~、または受注金額の5%~
この形態は、依頼企業側は活動量を担保しつつ成果に応じた支払いができ、営業代行会社側は最低限の収益を確保しながら成果へのインセンティブを持てるため、双方にとってメリットのある料金体系です。費用体系が複雑になりやすいため、見積もり時には固定費と成果報酬の発生条件を明確に確認することが重要です。
4. 自社に最適な営業代行の契約形態を選ぶための3つのポイント

営業代行の3つの契約形態には、それぞれ異なる特徴があります。自社の状況や目的に合わない契約形態を選んでしまうと、「費用ばかりかかって成果が出ない」「期待していた営業活動をしてもらえない」といった失敗につながりかねません。ここでは、自社に最適な契約形態を見極めるための3つの重要なポイントを解説します。
4.1 ポイント1 依頼したい営業プロセスで選ぶ
営業活動は、見込み客リストの作成からアポイント獲得、商談、受注(クロージング)まで、様々なプロセスに分かれています。どのプロセスを営業代行に任せたいかによって、最適な契約形態は異なります。自社の営業課題がどの段階にあるのかを明確にし、それに合った形態を選びましょう。
4.2 ポイント2 商材の単価や知名度で選ぶ
取り扱う商材やサービスの特性も、契約形態を選ぶ上で重要な判断基準です。特に「価格」と「知名度」は、営業の難易度に直結し、営業代行会社が引き受けやすい契約形態にも影響します。
4.2.1 高単価・専門性の高い商材(例:法人向けSaaS、コンサルティング)
顧客の検討期間が長く、受注までに複数のプロセスや時間を要する商材です。すぐに成果が出にくいため、成果報酬型では営業代行会社のモチベーションが維持しにくい場合があります。そのため、腰を据えた長期的な営業活動を依頼できる「固定報酬型」や、安定した活動を確保しつつ成果へのインセンティブも設定できる「複合型」が適しています。
4.2.2 低単価・知名度の高い商材(例:有名メーカーのオフィス用品、Webサービス)
製品力やブランド力があり、比較的販売しやすい商材です。成果の見通しが立てやすいため、営業代行会社も「成果報酬型」を積極的に受け入れる傾向にあります。初期費用を抑え、販売数に応じて費用を支払う「成果報酬型」を活用することで、リスクを最小限に抑えながら売上拡大を目指せます。
4.2.3 新商品・知名度の低い商材
市場での認知度が低く、まずはテストマーケティングや認知度向上から始める必要がある商材です。成果が出るまでに時間がかかるため、成果報酬型は不向きです。市場の反応を見ながら柔軟に営業手法を試す必要があるため、幅広い業務を依頼できる「固定報酬型」で、まずは安定した活動量を確保することが重要です。
4.3 ポイント3 予算とリスクの許容度で選ぶ
最後に、自社の予算計画や、事業におけるリスクをどの程度許容できるかを考慮して選びましょう。それぞれの契約形態が持つ費用面でのメリット・デメリットを理解することが重要です。
これらの3つのポイントを総合的に検討し、自社の営業課題、商材特性、そして経営方針に最も合致する契約形態を選択することが、営業代行を成功させるための鍵となります。
5. 営業代行で失敗しないための契約時の注意点

営業代行の活用が成功するかどうかは、契約内容にかかっていると言っても過言ではありません。後になって「言った言わない」のトラブルに発展しないよう、業務委託契約書を締結する前に、これから解説する3つのポイントを必ず確認しましょう。
5.1 成果の定義を具体的にすり合わせる
営業代行で最もトラブルになりやすいのが、「成果」に対する認識のズレです。特に成果報酬型の場合は、何をもって「1件の成果」とするのか、具体的な定義を契約書に明記する必要があります。固定報酬型であっても、活動の目標(KPI)を明確に定めておくことが重要です。以下の表を参考に、自社の基準を明確にしましょう。
5.2 業務範囲と報告義務を明確にする
「どこからどこまで」を依頼するのか、業務の範囲(スコープ)を明確にすることも不可欠です。想定外の業務を依頼したり、逆に必要な業務が含まれていなかったりすると、プロジェクトが円滑に進みません。また、活動状況を把握するための報告義務についても、事前に取り決めておきましょう。
5.3 契約期間と解約条件を確認する
契約の「出口」についても、事前にしっかりと確認しておく必要があります。特に、思うような成果が出なかった場合に備え、解約条件は隅々まで目を通しましょう。
まず、契約期間と自動更新の有無を確認します。多くの営業代行会社では「最低契約期間」を設けており、その期間内での解約には違約金が発生する場合があります。万が一、中途解約をする際の申し出の期限(例:解約希望月の1ヶ月前まで)や、違約金の有無、その算出方法についても契約書で明確に定められているかを確認してください。
また、自社の顧客情報や営業ノウハウといった機密情報を守るため、秘密保持契約(NDA)の内容も重要です。契約終了後の情報の取り扱いについても、契約書に記載があるかを確認しておくと、より安心して依頼できるでしょう。
6. まとめ
営業代行の契約形態には、安定した活動量の「固定報酬型」、リスクを抑えられる「成果報酬型」、両者の利点を組み合わせた「複合型」の3種類があります。最適な形態は、依頼したい営業プロセス、商材の単価や知名度、予算とリスク許容度によって異なります。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、自社の目的や状況と照らし合わせて選ぶことが、費用対効果の高い営業代行活用を成功させる鍵です。契約時には成果の定義や業務範囲を明確にすることも忘れないようにしましょう。


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