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BtoB営業代行とは?【完全ガイド】メリット・デメリット、費用、成功のコツをプロが解説

BtoB 営業 代行

BtoB営業代行は、正しく選べば売上拡大の強力な武器になります。本記事では、営業のプロがその基礎知識からメリット・デメリット、費用相場、失敗しない会社の選び方、成功のコツまでを網羅的に解説。成功の鍵は「自社の課題と目的を明確にし、最適なパートナー企業と連携すること」です。この記事を読めば、あなたの会社の営業課題を解決するための具体的な一手がわかります。


1. BtoB営業代行とは そもそもどんなサービスか

BtoB営業代行は、企業の成長戦略において重要な選択肢の一つです。しかし、「具体的にどんなサービスなのか」「他のサービスと何が違うのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。この章では、BtoB営業代行の基本的な定義から、注目される背景までを分かりやすく解説します。


1.1 BtoB営業代行の基本的な定義と役割

BtoB営業代行とは、法人向け(BtoB)の製品やサービスを提供する企業の営業活動を、外部の専門会社が代行するサービスです。自社の営業担当者に代わって、あるいは営業部門と連携しながら、営業活動の一部または全部を担います。

その最大の役割は、営業のプロフェッショナルが持つ専門知識やノウハウ、リソースを活用し、企業の売上向上や事業拡大に貢献することです。具体的には、新規顧客の開拓、見込み客(リード)の育成、アポイントメントの獲得、商談、契約のクロージングまで、幅広い業務を請け負います。単なる人手不足の解消だけでなく、営業戦略の立案や営業組織の仕組み化など、企業の営業課題を根本から解決するパートナーとしての役割も期待されています。


1.2 営業代行と営業派遣・コンサルティングの違い

営業代行は、「営業派遣」や「営業コンサルティング」と混同されがちですが、サービス内容や目的に明確な違いがあります。自社の課題に合ったサービスを選ぶために、それぞれの特徴を正しく理解しましょう。

主な違いは以下の表の通りです。

サービス

目的

指揮命令権

提供されるもの

営業代行

営業成果の創出(アポ獲得、受注など)

代行会社

成果を出すための戦略・実行部隊・ノウハウ

営業派遣

労働力の提供(人手不足の解消)

派遣先企業(自社)

営業活動を行う人材(リソース)

営業コンサルティング

営業課題の解決・仕組み化

- (アドバイスや指導)

戦略・戦術の提案・分析・ノウハウ

最も大きな違いは、「実行部隊」として実際に営業活動を行うかどうか、そして「指揮命令権」がどこにあるかという点です。営業代行は成果を出すことを目的に業務委託契約を結び、代行会社が主体となって活動します。一方、営業派遣は人材を確保することが目的で、自社が直接業務の指示を出します。営業コンサルティングは、戦略やノウハウの提供が主であり、実行は自社で行うのが基本です。


1.3 なぜ今BtoB営業代行が注目されているのか

近年、多くの企業でBtoB営業代行の活用が進んでいます。その背景には、現代のビジネス環境が抱える複数の課題があります。

第一に、労働人口の減少に伴う深刻な人材不足です。特に経験豊富な営業人材の採用は年々難しくなっており、採用や教育にかかるコストと時間も増大しています。営業代行を活用すれば、即戦力となるプロの営業リソースを迅速に確保できます。

第二に、営業手法の多様化と専門化が挙げられます。インサイドセールスやオンライン商談の普及、SFA/CRMといったツールの活用など、現代のBtoB営業には高度な専門性が求められます。自社だけで最新のノウハウを習得し、体制を構築するには限界があるため、専門知識を持つ外部パートナーの需要が高まっているのです。

これらの背景から、BtoB営業代行は単なる外注先ではなく、変化の激しい市場でスピーディーに成果を出し、事業を成長させるための戦略的なパートナーとして注目されています。


2. BtoB営業代行に依頼できる主な業務内容

BtoB 営業 代行

BtoB営業代行サービスは、単に電話をかけてアポイントを取るだけのサービスではありません。企業の営業課題に応じて、戦略立案から実際の商談、さらには営業組織の仕組みづくりまで、幅広い業務を依頼することが可能です。ここでは、営業代行に依頼できる主な業務内容を具体的に解説します。


2.1 戦略立案から実行まで 業務範囲の全体像

BtoB営業は、複数のプロセスが連動して成果を生み出します。多くの営業代行会社は、これらのプロセスの一部、あるいは全体をワンストップで支援する体制を整えています。自社がどのプロセスに課題を抱えているかを明確にすることで、最適な依頼範囲を決定できます。


BtoB営業プロセスと代行会社の対応業務

営業プロセス

主な業務内容

営業戦略立案

市場調査、ターゲット顧客(ペルソナ)設定、競合分析、KPI設計、営業アプローチ手法の策定

リードジェネレーション


(見込み客獲得)

ターゲットリスト作成、テレアポ、フォーム営業、手紙(DM)送付、Web広告運用代行、コンテンツマーケティング支援

リードナーチャリング


(見込み客育成)

電話やメールでの定期的なフォロー、セミナー・ウェビナーの企画・開催、MA(マーケティングオートメーション)ツールの運用

セールス


(商談・クロージング)

アポイント獲得、オンライン・訪問での商談実施、提案書・見積書作成、価格交渉、契約締結

カスタマーサクセス

導入後のフォローアップ、アップセル・クロスセルの提案、契約更新の促進

2.2 アポイント獲得(インサイドセールス)

BtoB営業代行で最も一般的な依頼内容が、インサイドセールスによるアポイント獲得です。営業担当者が商談に集中できる環境を作るため、見込み客への最初のアプローチを代行してもらいます。質の高い商談機会を安定的に創出できるため、多くの企業が活用しています。

  • ターゲットリストの作成・精査

  • 電話(テレアポ)やメールによるアプローチ

  • Webサイトからの問い合わせ対応(SDR: Sales Development Representative)

  • ターゲット企業への戦略的な新規アプローチ(BDR: Business Development Representative)

  • 見込み客の課題ヒアリングと情報提供

  • 確度の高い商談機会の創出とフィールドセールスへの連携


2.3 商談・クロージング(フィールドセールス)

アポイント獲得後の商談やクロージングといった、フィールドセールスの領域を依頼することも可能です。特に、専門的な知識が求められる商材や、決裁者への高度な交渉力が必要な場合に有効です。自社の営業担当者に代わって成約までを担うため、即戦力として売上向上に直結します。

  • オンラインツールや顧客先への訪問による商談の実施

  • 製品・サービスのデモンストレーション

  • 顧客の課題に合わせた提案書や見積書の作成

  • 価格や契約条件の交渉

  • 契約締結(クロージング)業務


2.4 営業組織の立ち上げ支援

単なる実務代行にとどまらず、営業組織そのものの構築を支援するサービスもあります。新規事業の立ち上げや、スタートアップ企業などで営業の仕組みが確立していない場合に非常に役立ちます。将来的に自走できる強い営業組織の土台を築くことを目的とします。

  • 効果的な営業戦略の策定

  • KPI(重要業績評価指標)の設計と管理体制の構築

  • 営業プロセスの可視化と標準化(セールスイネーブルメント)

  • SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)といった営業ツールの選定・導入支援

  • 営業担当者向けの研修やトレーニングの実施


3. BtoB営業代行を利用する5つのメリット

BtoB 営業 代行

BtoB営業代行の活用は、単なる人手不足の解消にとどまらず、事業成長を加速させるための戦略的な一手となり得ます。ここでは、営業代行サービスを導入することで企業が得られる具体的な5つのメリットについて、詳しく解説します。


3.1 メリット1 即戦力となるプロの営業リソースを確保できる

最大のメリットは、営業の専門知識と豊富な経験を持つプロフェッショナルを即座に確保できる点です。自社で営業担当者を採用し、一人前に育てるには数ヶ月から1年以上の時間と多大な労力がかかります。特に、新規事業の立ち上げや急な欠員補充など、スピード感が求められる場面では、採用・教育のプロセスが事業の足かせになりかねません。

BtoB営業代行会社には、様々な業界・商材で実績を積んだ営業のプロが多数在籍しています。契約後すぐに質の高い営業活動を開始できるため、機会損失を防ぎ、迅速にビジネスを軌道に乗せることが可能です。


3.2 メリット2 営業担当者の採用・教育コストを大幅に削減できる

正社員を1名採用する場合、給与や社会保険料といった直接的な人件費以外にも、求人広告費、採用担当者の工数、研修費用、PCやデスクなどの備品代といった間接的なコストが発生します。営業代行を利用すれば、これらの採用活動や人材育成にかかるコストと手間を丸ごと削減できます。

必要な期間や業務量に応じてリソースを確保できるため、人件費を固定費ではなく変動費として扱えるようになり、経営の柔軟性を高める効果も期待できます。



自社採用と営業代行のコスト比較

項目

自社で正社員を採用する場合

BtoB営業代行を利用する場合

採用コスト

発生する(求人広告費、人材紹介手数料など)

不要

教育・研修コスト

発生する(研修プログラム、OJT担当者の工数など)

不要

人件費・社会保険料

毎月固定で発生

不要(業務委託費として計上)

備品・設備費

発生する(PC、デスク、通信費など)

不要

3.3 メリット3 蓄積されたノウハウでスピーディーに成果を出せる

実績豊富な営業代行会社は、効果的な営業戦略や成功パターンを数多く蓄積しています。ターゲットリストの作成、刺さるトークスクリプトの構築、最新の営業ツール(SFA/CRM)の活用法など、成果を出すための仕組みが確立されています。

自社だけで試行錯誤を繰り返すよりも、外部の専門的な知見を活用することで、PDCAサイクルを高速で回し、短期間での売上向上や目標達成が期待できます。これは、営業組織の立ち上げフェーズにある企業にとって特に大きなアドバンテージとなるでしょう。


3.4 メリット4 自社では難しい新規市場や業界を開拓できる

既存の営業リソースだけでは、日々の業務に追われて新しい市場や業界へのアプローチが後回しになりがちです。営業代行を活用することで、自社がこれまで接点のなかった業界や、攻略が難しいとされていた企業へのアプローチが可能になります。

特定の業界に特化した営業代行会社であれば、その業界特有の商習慣やキーマンとのコネクションを保有している場合もあります。本格的な市場参入前のテストマーケティングとして営業代行を利用し、市場の反応を確かめるといった戦略的な活用法も有効です。


3.5 メリット5 社員はコア業務に集中できる

営業活動の中でも、特にテレアポやメール配信といったリード獲得の初期段階は、多くの工数がかかる一方で、必ずしも自社の社員でなければできない業務ではありません。これらの業務を営業代行に委託することで、自社の営業担当者は商談やクロージング、既存顧客との関係構築といった、より付加価値の高いコア業務に集中できます。

社員一人ひとりの生産性が向上し、結果として営業部門全体のパフォーマンス、ひいては会社全体の事業成長を加速させることにつながります。


4. 知っておくべきBtoB営業代行の3つのデメリットと対策

BtoB 営業 代行

BtoB営業代行は即戦力確保やコスト削減など多くのメリットがある一方で、導入前に理解しておくべきデメリットも存在します。しかし、これらのデメリットは事前に対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。ここでは、代表的な3つのデメリットとその具体的な対策について詳しく解説します。


4.1 デメリット1 自社に営業ノウハウが蓄積されにくい

営業活動の大部分を外部のプロフェッショナルに委託するため、日々の活動から得られる顧客の生の声、成功や失敗の要因分析、効果的なアプローチ方法といった貴重な営業ノウハウが自社の資産として蓄積されにくいという側面があります。営業活動がブラックボックス化してしまい、将来的に自社で営業組織を内製化しようとする際に、ゼロから手探りで始めることになりかねません。


4.1.1 【対策】情報共有とノウハウ移管の仕組みを構築する

このデメリットを回避するためには、代行会社を単なる「外注先」ではなく「パートナー」と捉え、積極的にノウハウを吸収する仕組みを構築することが重要です。

  • 定期的なレポーティングと定例会議:活動報告を密に受け、アポイント数や成約数といった数値だけでなく、商談の具体的な内容、顧客の反応、失注理由などを詳細に共有してもらう場を設けましょう。

  • ノウハウのドキュメント化を依頼:契約段階で、成果物として有効だったトークスクリプトや切り返しトーク集、FAQ、成功事例などをドキュメント形式で納品してもらうよう依頼します。

  • 自社担当者の伴走:営業プロセスを可視化し、自社の担当者も定例会議や一部の商談に同席するなど、積極的に関与することでノウハウの吸収を促進します。


4.2 デメリット2 サービス品質が代行会社のスキルに依存する

営業代行の成果は、実際に活動を行う担当者のスキル、経験、そして自社商材への理解度に大きく左右されます。万が一、担当者の能力が不足していたり、業界知識が浅かったりすると、期待した成果が得られないばかりか、不適切な顧客対応によって企業のブランドイメージを損なうリスクも否定できません。


4.2.1 【対策】実績と担当者の質を契約前に見極める

依頼する会社の「看板」だけでなく、「誰が」担当してくれるのかを事前に確認することが、失敗を防ぐための最も重要なポイントです。

  • 実績の確認:自社の業界やターゲット、商材と類似した案件での成功実績があるか、具体的な事例を提示してもらいましょう。

  • 担当チームの確認:可能であれば、プロジェクトを担当するチームの責任者や主要メンバーと事前に面談し、スキルレベルやコミュニケーションの相性を確認することをおすすめします。

  • トライアル期間の設置:本格契約の前に、短期間のトライアル(試験導入)が可能か相談し、実際の活動の品質やコミュニケーションの円滑さを見極めるのも有効な手段です。


4.3 デメリット3 情報漏洩のリスクと機密保持契約の重要性

営業活動を外部に委託する際は、顧客リスト、商材の価格情報、技術情報といった企業の機密情報を共有する必要があります。そのため、代行会社のセキュリティ体制が脆弱な場合、意図しない情報漏洩につながるリスクが常に伴います。一度情報が漏洩すると、企業の信用失墜や損害賠償問題に発展する可能性があり、細心の注意が必要です。


4.3.1 【対策】契約とセキュリティ体制の確認を徹底する

リスクを最小限に抑えるためには、法務面と実務面の両方から対策を講じることが不可欠です。

  • 機密保持契約(NDA)の締結:具体的な商談を進める前に、必ず機密保持契約を締結します。秘密情報の定義、目的外利用の禁止、契約終了後の情報破棄など、自社にとって不利な点がないか細部まで内容を精査しましょう。

  • セキュリティ認証の確認:プライバシーマーク(Pマーク)やISMS(ISO/IEC 27001)といった第三者認証を取得しているかどうかも、セキュリティ体制を客観的に判断する重要な指標となります。

  • 情報共有範囲の限定:委託する業務に本当に必要な情報だけを選別し、共有する範囲を最小限に留める社内ルールを設けることも重要です。


5. BtoB営業代行の費用相場と料金体系を徹底解説

BtoB 営業 代行

BtoB営業代行の利用を検討する上で、最も気になるのが費用ではないでしょうか。料金体系は主に「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」の3種類に大別され、それぞれにメリット・デメリットが存在します。自社の目的や予算に合わせて最適なプランを選ぶことが、費用対効果を最大化する鍵となります。ここでは、各料金体系の特徴と、依頼する業務内容別の費用相場を詳しく解説します。


5.1 固定報酬型

固定報酬型は、営業活動の成果にかかわらず、毎月一定の金額を支払う料金体系です。営業担当者の人件費と活動費を月額で支払うイメージに近いでしょう。毎月決まった費用で安定的に営業リソースを確保できるため、予算管理がしやすいのが最大のメリットです。

成果がすぐに出にくい長期的な戦略立案や、営業プロセスの改善、市場調査といった業務に適しています。一方で、期待した成果が出なかった場合でも費用が発生するリスクがある点には注意が必要です。

  • 費用相場:月額50万円~100万円程度(営業担当者1名の場合)

  • 向いている企業:中長期的な視点で営業組織の基盤を構築したい企業、毎月の予算を固定したい企業


5.2 成果報酬型

成果報酬型は、「アポイント獲得1件あたり」「受注1件あたり」といった、事前に定めた成果(ゴール)に対して費用が発生する料金体系です。成果が出なければ費用が発生しないため、初期投資を抑え、リスクを最小限にできる点が大きな魅力です。

ただし、1件あたりの単価は固定報酬型に比べて高額になる傾向があります。また、成果の定義を明確にしておかないと、後々のトラブルに繋がる可能性もあります。例えば「アポイント」の定義が、単なる担当者との面会約束なのか、決裁権者との商談機会なのかで、その価値は大きく異なります。

  • 費用相場:

    • アポイント獲得1件:15,000円~50,000円

    • 受注1件:受注額(売上)の10%~50%

  • 向いている企業:とにかく商談数を増やしたい企業、初期費用を抑えたいスタートアップ企業


5.3 複合型(固定報酬+成果報酬)

複合型は、月額の固定費に加えて、成果に応じたインセンティブ(成果報酬)を支払う料金体系です。固定報酬型と成果報酬型の「良いとこ取り」をしたバランスの取れたプランと言えます。

最低限の固定費で営業活動の安定性を担保しつつ、成果報酬によって代行会社のモチベーションを引き出すことができます。これにより、営業活動の「量」と「質」の両方を追求しやすくなります。料金体系がやや複雑になるため、契約前にしっかりと内容を確認することが重要です。

  • 費用相場:

    • 固定費:月額25万円~60万円

    • 成果報酬:アポイント獲得1件 10,000円~30,000円など

  • 向いている企業:リスクを分散させながら、着実に成果を積み上げたい企業


5.4 依頼する業務内容別の費用相場

営業代行の費用は、依頼する業務範囲によっても大きく変動します。ここでは、代表的な業務内容ごとの費用相場を一覧でご紹介します。自社がどの業務を依頼したいのかを明確にし、予算策定の参考にしてください。



業務内容別の費用相場一覧

依頼する業務内容

主な料金体系

費用相場

営業戦略立案・コンサルティング

固定報酬型

月額30万円~80万円

アポイント獲得(テレアポ・インサイドセールス)

固定報酬型


成果報酬型


複合型

固定:月額50万円~70万円


成果:1件 1.5万円~5万円

商談・クロージング(フィールドセールス)

固定報酬型


成果報酬型

固定:月額60万円~120万円


成果:受注額の10%~50%

営業組織の立ち上げ・構築支援

固定報酬型(プロジェクト単位)

1プロジェクト 150万円~

※上記の費用はあくまで一般的な相場であり、商材の単価や難易度、代行会社のスキルによって変動します。正確な費用を知るためには、必ず複数の会社から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較検討することが不可欠です。


6. 失敗しないBtoB営業代行会社の選び方 7つの重要ポイント

BtoB 営業 代行

BtoB営業代行サービスは、正しく選べば事業を大きく成長させる強力な武器となります。しかし、数多くの会社の中から自社に最適なパートナーを見つけるのは簡単ではありません。ここでは、営業代行選びで失敗しないための7つの重要なポイントを、具体的な確認事項とともに解説します。


6.1 ポイント1 自社の業界や商材での成功実績があるか

最も重要なのは、依頼する会社が自社の業界や取り扱う商材、サービスについて深い知見と成功実績を持っているかです。BtoBの営業は業界特有の商習慣や専門知識、ターゲットとなるキーマンへのアプローチ方法が成果を大きく左右します。実績の有無は、成果が出るまでのスピードと確度に直結します。

商談の際には、具体的な成功事例(どのような課題を、どう解決し、どんな成果が出たか)を数値ベースで提示してもらいましょう。特に、自社と事業規模やターゲット層が近い企業の支援実績があれば、有力な候補となります。


6.2 ポイント2 依頼したい業務範囲をカバーしているか

「営業代行」と一言で言っても、そのサービス範囲は会社によって様々です。アポイント獲得だけを専門とする会社もあれば、戦略立案から商談・クロージング、さらには営業組織のコンサルティングまで一気通貫で支援する会社もあります。まずは自社の課題を明確にし、どの業務プロセスを強化したいのかを定義することが不可欠です。

その上で、候補となる会社が自社のニーズを完全に満たすサービスを提供しているかを確認しましょう。将来的な事業拡大を見据え、段階的に依頼範囲を広げられる柔軟性があるかも重要な判断材料です。


業務範囲ごとの確認ポイント例

依頼したい業務範囲

主な確認ポイント

戦略立案・市場調査

市場分析やターゲット設定、競合調査から支援可能か。

アポイント獲得

どのような手法(電話、メール、手紙、フォーム営業)を用いるか。ターゲットリストの作成は可能か。

商談・クロージング

オンライン・オフライン両方に対応しているか。高単価商材や無形商材の営業経験は豊富か。

既存顧客フォロー

アップセル・クロスセルの提案や、顧客満足度向上のための施策も任せられるか。

6.3 ポイント3 料金体系は明確で費用対効果が見合っているか

料金体系は主に「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」の3つに大別されます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の状況や依頼する業務内容に合ったプランを選ぶことが重要です。安さだけで選んでしまうと、営業の質が低かったり、成果が出なかったりして、結果的にコストパフォーマンスが悪くなるケースも少なくありません。

見積もりを依頼する際は、初期費用や月額費用の内訳、成果報酬の定義(例:「アポイント獲得」の定義は何か)、追加費用の有無などを細かく確認し、料金の透明性を重視しましょう。その上で、投資に対してどれだけのリターン(売上、利益)が見込めるのか、費用対効果を冷静に判断する必要があります。


6.4 ポイント4 報告体制やコミュニケーションは円滑か

営業代行は外部のパートナーですが、自社の「営業部」として活動してもらいます。そのため、円滑なコミュニケーションと透明性の高い報告体制は、プロジェクト成功の生命線です。活動状況がブラックボックス化してしまうと、課題の発見や改善が遅れ、成果につながりません。

契約前に、以下の点を確認しておくことをお勧めします。

  • 定例ミーティングの頻度と形式(対面かオンラインか)

  • レポートの内容(KPIの進捗、活動リスト、商談内容、市場の反応、今後の改善策など)

  • 日常的な連絡手段(チャットツール、メール、電話など)と担当者のレスポンス速度

単なる「外注先」ではなく、事業成功を共に目指す「パートナー」として信頼できるかを、担当者とのやり取りを通じて見極めましょう。


6.5 ポイント5 営業戦略の提案力はあるか

優れた営業代行会社は、ただ依頼された業務をこなすだけではありません。市場の動向や競合の状況、そして自社の強みを分析し、より成果を出すための営業戦略を積極的に提案してくれます。自社の事業成長に貢献する戦略的な視点を持っているかどうかは、中長期的な成果を大きく左右するポイントです。

商談の場で、「弊社のサービスを拡販するためには、どのようなターゲットに、どのようなアプローチが有効だと思いますか?」といった質問を投げかけてみましょう。その回答の質や具体性から、会社の提案力や思考の深さを測ることができます。


6.6 ポイント6 担当者のスキルと経験は十分か

どれだけ素晴らしい実績やノウハウを持つ会社でも、最終的に成果を出すのは現場で活動する個々の営業担当者です。会社の看板だけでなく、実際に自社のプロジェクトを担当するメンバーのスキル、経験、そして熱意が極めて重要になります。

可能であれば、契約前に担当者(またはプロジェクトリーダー)と面談する機会を設けてもらいましょう。過去の経歴や得意な業界、そして自社商材への理解度などを直接確認することで、ミスマッチを防ぐことができます。担当者の人柄やコミュニケーションスタイルが自社の社風と合うかも、円滑な連携のために見逃せない要素です。


6.7 ポイント7 契約内容と最低契約期間を確認する

最後に、契約内容の確認は慎重に行いましょう。特に注意すべきは「業務範囲の定義」「成果の定義」「秘密保持義務」「最低契約期間」です。口頭での約束だけでなく、すべてが契約書に明記されているかを確認してください。

特に「最低契約期間」は重要なチェック項目です。成果が出るまでには3ヶ月~半年程度かかるのが一般的ですが、1年以上の長期契約は慎重に判断すべきです。まずは短期間で試せるトライアルプランがあるかどうかも確認すると良いでしょう。後々のトラブルを避けるため、契約書の内容は隅々まで目を通し、少しでも疑問があれば必ず契約前に解消しておくことが鉄則です。


7. BtoB営業代行を成功に導く3つのコツ

BtoB 営業 代行

BtoB営業代行会社は、選んで契約すれば自動的に成果が出る「魔法の杖」ではありません。外部のプロフェッショナルを最大限に活用し、投資対効果を高めるためには、依頼する側の積極的な関与が不可欠です。ここでは、営業代行の活用を成功に導くために、絶対に押さえておきたい3つの重要なコツを解説します。


7.1 コツ1 依頼目的とKPI(重要業績評価指標)を明確に共有する

営業代行の依頼が失敗する最も多い原因の一つが、目的やゴールの認識齟齬です。「売上を増やしたい」「新規顧客を開拓したい」といった漠然とした目標だけでは、代行会社はどのような戦略で、何を優先して動くべきか判断できません。依頼前には必ず、「何のために営業代行を利用するのか」という目的と、「何を達成すれば成功と言えるのか」という具体的な数値目標(KPI)を明確に設定し、代行会社と深く共有しましょう。

KPIを設定することで、活動の進捗を客観的に評価し、課題を早期に発見することが可能になります。キックオフミーティングの段階で、自社の事業課題や背景まで含めて丁寧にすり合わせを行うことが、成功への第一歩です。


表:BtoB営業代行で設定される主なKPIの例

KPI項目

指標の概要

アポイント獲得数(商談化数)

設定したターゲット企業との商談機会を創出した数

有効商談数

受注見込みの高い、質の高い商談の数

受注件数

営業代行活動を通じて実際に契約に至った件数

受注率(CVR)

商談数に対して受注に至った割合

顧客獲得単価(CPA)

1件の顧客を獲得するためにかかったコスト

7.2 コツ2 丸投げにせずパートナーとして密に連携する

営業代行会社に業務を「丸投げ」してしまうと、多くの場合うまくいきません。自社の製品やサービスの強み、顧客の特性、市場の動向などを最も深く理解しているのは、依頼主であるあなた自身です。その貴重な情報を共有せずして、成果を最大化することは不可能です。

代行会社を単なる「外注先」としてではなく、「自社の営業戦略を共に推進するパートナー」と位置づけ、密に連携する体制を構築しましょう。具体的には、以下のような取り組みが有効です。

  • 定例ミーティングの実施:週に1回、あるいは隔週で進捗確認や課題共有、次のアクションプランを協議する場を設けます。

  • 迅速な情報共有:製品のアップデート情報、成功事例、顧客からのフィードバック、競合の動向などをチャットツール(SlackやMicrosoft Teamsなど)を活用してリアルタイムに共有します。

  • 自社の窓口担当者を明確にする:代行会社とのコミュニケーションを円滑にするため、責任と権限を持った担当者を必ず設置します。

このような能動的な関わりが、代行会社のパフォーマンスを引き出し、結果的に自社の利益へと繋がります。


7.3 コツ3 定期的な効果測定と改善サイクルを回す

BtoB営業は、一度立てた戦略が永続的に通用するほど単純ではありません。市場や顧客の反応を見ながら、常にアプローチを最適化していく必要があります。そのためには、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回し続けることが不可欠です。

まず、コツ1で設定したKPIを基に、代行会社から定期的な活動レポート(週報や月報)を受け取ります。そして、そのレポートをただ眺めるだけでなく、結果を分析し、どこに課題があるのか、どうすれば改善できるのかを代行会社と一体となって協議しましょう。

例えば、「アポイントは取れるが有効商談に繋がらない」という課題があれば、ターゲットリストの精度に問題があるのか、あるいはトークスクリプトの訴求内容がずれているのか、といった仮説を立て、改善策を実行します。このような地道な改善活動を継続的に行うことで、営業活動の精度は着実に向上し、より大きな成果へと結びついていきます。


8. 【目的別】おすすめのBtoB営業代行会社5選

BtoB 営業 代行

BtoB営業代行会社は数多く存在し、それぞれに得意な領域や料金体系が異なります。自社の目的や課題に合わせて最適なパートナーを選ぶことが成功への鍵です。ここでは、5つの目的別に実績豊富なおすすめの営業代行会社をご紹介します。


8.1 アポイント獲得に強いBtoB営業代行会社

8.1.1 株式会社セレブリックス

株式会社セレブリックスは、25年以上、1,200社以上の支援実績を誇る営業代行のリーディングカンパニーです。特に質の高いアポイント獲得(インサイドセールス)に定評があり、独自の顧客開拓メソッドを用いて、再現性の高い営業活動を実現します。豊富な実績から、あらゆる業界・商材に対応できる対応力の高さも魅力です。

特徴

得意な領域

料金体系

こんな企業におすすめ

25年以上の歴史と12,000件以上の豊富なプロジェクト実績

インサイドセールスによるアポイント獲得、新規開拓営業

固定報酬型、複合型

まずは質の高い商談機会を安定的に増やしたい企業


8.2 IT・SaaS業界に特化したBtoB営業代行会社

8.2.1 株式会社才流(サイル)

株式会社才流は、BtoBマーケティングと営業のメソッド開発を強みとするコンサルティング会社です。特にSaaSビジネスの成長支援に特化しており、The Model型の営業プロセス構築や改善を得意としています。データに基づいた論理的なアプローチで、再現性のある営業の仕組み作りを支援。単なる代行にとどまらず、自社にノウハウを蓄積したい企業に最適です。

特徴

得意な領域

料金体系

こんな企業におすすめ

BtoBマーケティング・営業のメソッド開発とコンサルティング

SaaS、IT業界の営業戦略立案、The Model型組織の構築支援

プロジェクト単位の固定報酬型

SaaSビジネスの営業プロセスを根本から改善したい企業

8.3 成果報酬型で依頼できるBtoB営業代行会社

8.3.1 株式会社アイランド・ブレイン

株式会社アイランド・ブレインは、完全成果報酬型のアポイント獲得サービスを提供している会社です。最大の特徴は、アポイントが獲得できなければ一切費用が発生しない料金体系にあり、リスクを抑えて営業代行を試したい企業から高い支持を得ています。特に決裁者やキーマンへのアプローチに強く、質の高い商談設定が期待できます。

特徴

得意な領域

料金体系

こんな企業におすすめ

アポイント獲得に特化した完全成果報酬型サービス

決裁者アポイントの獲得、新規顧客開拓

成果報酬型

初期費用をかけずに、リスクなく営業代行を始めたい企業

8.4 戦略立案から任せられる総合力の高い会社

8.4.1 パーソルプロセス&テクノロジー株式会社

総合人材サービス「PERSOL」グループの一員であるパーソルプロセス&テクノロジーは、その豊富なリソースとノウハウを活かし、営業・マーケティング領域のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを展開しています。営業戦略の策定から実行、効果検証、組織構築まで一気通貫で支援できる総合力が強みです。インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスまで、営業プロセス全体を最適化したい大企業や中堅企業に適しています。

特徴

得意な領域

料金体系

こんな企業におすすめ

大手ならではの豊富なリソースと実績

営業戦略立案、営業BPO、インサイドセールス組織の立ち上げ

固定報酬型、複合型

営業部門全体をアウトソースし、コア業務に集中したい企業

8.5 スタートアップ支援に実績のある会社

8.5.1 株式会社セールスハックス

株式会社セールスハックスは、スタートアップやベンチャー企業、新規事業の営業支援に特化したサービスを提供しています。リソースが限られる中でスピーディーな成果が求められる企業の特性を深く理解し、0→1フェーズの営業組織構築やテストマーケティングを柔軟に支援します。営業戦略の壁打ちから実行まで、事業の成長フェーズに合わせた伴走型のサポートが魅力です。

特徴

得意な領域

料金体系

こんな企業におすすめ

スタートアップ・新規事業の立ち上げ支援に特化

営業戦略立案、テストマーケティング、営業組織の立ち上げ

固定報酬型、複合型

リソースが不足しているスタートアップや新規事業担当者

9. まとめ

本記事では、BtoB営業代行の基本からメリット・デメリット、費用、選び方のポイントまで網羅的に解説しました。営業代行は、プロの即戦力活用によるスピーディーな成果創出やコスト削減といった大きなメリットがある一方、自社にノウハウが蓄積しにくいなどの注意点も存在します。成功の鍵は、依頼目的を明確にし、自社の課題や商材に合った実績を持つ会社をパートナーとして選ぶことです。本記事で紹介した選び方や成功のコツを参考に、事業成長を加速させる最適な一社を見つけてください。

 
 
 

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